ANAシステムエラー騒動を考える(前編)
皆様三連休は楽しくお過ごしされただろうか。普段連休と縁のないシフト休暇勤務の私からすると羨ましい限りである。 そんなわけでこの連休中、全日空(ANA)のコンピュータシステムが故障して何便何十便もの飛行機が欠航或いは遅延の事態となってしまい、巻き込まれた方には同情する前に「俺が取れない連休を取って旅行に行こうだなんて生意気なんですよ。これは罰が当たったのですねウワハハハハ」なんて感じてしまう心の狭い私であった。 これは自分が恋人と別れると悲しいが、赤の他人が恋人と別れてもまったく何も悲しくならないという人間心理に似ている。人間なんてそんなものだ。人は皆自分に正直に生きたほうがいい。君もそうではないのかナ?もしそうではないと言われてしまうと、私という人間だけがイヤな野郎という結論になってしまうので「私もです」と言って欲しいところである。 特に身も知らぬ赤の他人がぽっちゃりした彼女と分かれた。なんて自体は大歓迎だ。世の中のぽちゃさんが一人フリーとして開放されるわけである。 かつて雪印乳業が食中毒事件を起こした時、森永や明治といったライバル会社の売り上げがグンと伸びた事がある。他人の不幸は蜜の味というやつだ。雪印が不祥事を起こしたから同業者が困っている、とか、決してそんなわけではないのである。 F1だって同じだ。ハミルトンがシケインで大事故を起こしリタイアしたらマッサもクビサも「大丈夫でしょうかね」と心配することはするだろうが、それはそれとしてランキング1位に躍り出るチャンスだと心のどこかで計算してしまうに違いない。人とは弱い生き物である。 私も見知らぬ誰かがぽちゃさんと分かれようとて全然悲しくなんかならない。隣の家に東大に入りたくて入りたくてたまらない高校生がいるとして、お母さんが「たくの息子は滑り止めの一橋には受かりましたが東大は落ちたざます。私立だと早稲田の政経にも受かったざます。でも東大に受からなかったのでとてもとても悲しいざます。ああー悲しい悲しい」なんて言い出したら後ろからスクーターで轢き逃げしてしまうかもしれない。 地方のバカ大学出身の私からすれば東大だろうが早稲田だろうが憎むべき学歴には変わりはないわけだ。これがコロンビア大学とかオックスフォード大学とか言うとなんだかよくわからない領域に達してしまうのであまり羨ましさは感じないが、どうにも早稲田あたりだと身の回りに普通に存在するわけで、相手が何も言わないうちから敵意を感じてしまう。
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