男の子はリニアモーターカーに憧れるものなのだ
新幹線と言えば技術大国日本を象徴する夢の超特急だが、その先に見据える近未来技術がもう一つ残されている。そう、「マグレブ」と呼ばれる高速リニアモーターカーだ。
クロアチア・マグレブなんちて。おっと済まない、ハイブロウなギャグをかましてしまった。意味がわからない人は簡単にスルーして欲しい。大した事ではない。それはともかく、つまりはリニア中央新幹線。2025年営業開始を目指して鋭意開発中なのである。日本独自の技術である超伝導磁石力をフル活用しての束縛もとい高速輸送。何だかとても素晴らしい。ぽちゃさんのブラを外したら歪んだ形の乳輪が顕れた時ぐらいの感動である。
何せ時速600キロなのだ。マッハだとおおよそ0.5。マッハとか亜音速だとかもはや意味不明なまでのスピードだ。これが地べたを這い蹲るように驀進するわけだから笑っちゃう。 それがようやく実用の目処がたち、東京-名古屋間に乳頭いや違った投入されるのだ。 しかしルート選定を巡って長野県が横槍を入れて来ているのである。 「駅を県内に作れ。出来れば長野、松本寄りに路線を迂回させろ」と。 気持ちは分かる。 ルートが長野県内のかなりの区間に跨るくせに「中間駅はあまり設置したくない」とか、そんなJRの態度に納得行くはずがない。馬鹿にされているようなものである。「今度パーティやるからチケット買え。でもお前場の空気読めないしキモイから参加しなくていいから」なんてハブられてしまうようなものだ。これで頭に来ない人間はいない。 飯田市辺りに一駅作ってくれるとしても「いやそんな端っこの方じゃなくて、せめて諏訪湖周辺にまで来てくれんじゃろか」と思うのも当然だろう。 何せFMWが旗揚げして巡業したら観客がガチで7人しか来なかったという伝説の町である。あと飯田線を舞台にした超つまんないアニメもあったな。私のアニメ鑑賞史上最もスウィングしなかった作品である。まあ、個人の趣味嗜好の問題だけど。 それはともかく要するにせっかくリニアを走らせるのなら長野の中心地寄りに路線を敷いて欲しいわけだ。地元民や政治家たちがなんとかして曲線ルート採用を訴えるのも無理はない。 女の子の肉体が曲線を描き丸みを帯びる程に男は胸の鼓動を打ち鳴らすものである。曲線とは美しい存在なのだ。そう考えれば甲府盆地から山々をトンネルで潜り抜け名古屋に到達する最短ルートに曲線を加え、長野の人々の利便性を高める迂回ルートを設定するというのも一つの手かも知れない。 しかしながら長野県と特に縁もゆかりもない神奈川県民の私からすると、特に長野にリニア駅を設置する必要性を何も感じないわけでもある。だって何も得をしないではないですか、我々としては。 「他人」とは冷たいものだ。しかし、だいたい教育県だか風俗のない県だか知らないが、日本のどこにでもあるような一地方都市にしてはオリンピック誘致によるインフラの整備やら何やらでさんざん優遇されてきたではないか。長野新幹線があれば十分だろうとも思えるわけである。それに政治家が出しゃばってルートを変更してもいい事なんか何もないという事実を我々は新幹線の歴史で学んでいる。 だいたい東京-名古屋-大阪の大動脈を結ぶ事を第一目的としたコンセプトで「うちを通るならこっちの中心地にも寄れ」とか、ある意味はた迷惑な要望である。 「お前ちょっとHカップで18歳のピチピチぽちゃギャルと付き合ってるなんて生意気じゃねーか。ちょっと俺にも紹介して出来れば一発やらせろ」 これではまるで頭の悪いチンピラヤクザである。高倉健だったら絶対そんな事は言わない。もう少し威厳をもって欲しい。かっこよく生きたいものだ。まあしかし、松本とは言わないから最悪でも諏訪までは迂回して欲しい、というところなのだろう。 だが、だ。現状の東海道新幹線ですら東京-名古屋間を100分でクリアするのである。せっかくのリニアルートが無意味に膨れて最高速度を出せる機会が減少してしまったら、40分で到達するルートが45分、50分と引き延ばされてしまうわけである。 これがぽっちゃり風俗なんかだと40分コースだったのがサービスで時間延長しました、なーんてケースだったら最高に素敵な事である。しかし残念ながらリニアにはそんな喜びを求める余地はない。早く着けば着く付く程いいのだ。 南アルプスの地下を真っ直ぐ切り抜ける路線図(Cルート)だと、リニア最大のメリットである時間の短縮も容易に行われる。甲府の次の駅は飯田、その次が名古屋。それでいいじゃないかというのが個人的な思いである(中津川いらんだろ)。女の子の体とは違って路線図はあまり膨れない方が良いのではなかろうか。何だかそんな気がするのだ。 しかし諦めの早い男が結局ぽちゃさんを奪取出来ないように、駄目だと思ったらそこで終わりになってしまう。野県知事も県民もとにかくリニア路線迂回を求め続けるのだろう。 そんな彼らを尻目に私の求める事は一つ。 「ゴタゴタは構いませんがせめて私が死ぬまでに開通して下さい。子供の頃からの憧れのリニアに一度是非とも乗りたいのです」 みらいののりものに恋い焦がれる70年代BOYとしては、その辺譲れない思いなのである。
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