休日と千と千尋の神隠し
時間はあるが金はないという休日の過ごし方としてネットは素晴らしい。そんなわけで午前中は近距離ドライブ、午後はネットという、なかなかワクワク感に乏しい時間の遣い方をしてしまった私である。ま、いつもの事ですけどね。
そんなわけでネット三昧である。 各国版の「千と千尋の神隠し」を見まくっていましたよ、ええ。日本語版の他にフランス語、ドイツ語、ポルトガル語、英語版とネット上に落ちているわけだが、今日は今まで未見だったスペイン語版とイタリア語版、ロシア語版を鑑賞した。他にもチェコ語版とか中国語版だとかいっぱいあるのだが、まあ今日はこんなところで。
「へえ-、ROUNDABOUTさんは外国語に堪能なんですね」と言われると「いえ日本語しか理解出来ません。海外個人旅行も好きですが英語も喋れません」と返すしかないのだが、まあ何となく雰囲気の問題である。元の台詞を覚えているから言葉がわからなくても何となく面白い。暇潰しには丁度良い。どうしても訳す事が出来ず「えーんがちょ」とか外国語の釜爺がそのままの発音で喋ってるシーンとか爆笑出来るし。あとどの国も「お母さん」は「ママ」か「マム」なのね。どうでもいい発見だけど。 それにしてもポニョやハウルはネット上にあんまり落ちてないのにどうして千と千尋の神隠しはあちこちに動画ファイルが存在するのだろう。不思議だ。桁外れのヒット作だからという事だろうか。 まあ私みたいに何度も観たくせにまた「もう一回観よう」と思うスタジオジブリの狙いに引っ掛かりまくったアホが世界中にたくさん存在するから、という事なのだろう。 それにしてもあんまり宮崎駿作品ってそんなに好きじゃなかったんだけどなあ。どうしてこんなに千と千尋の神隠しだけ私の琴線に触れまくりなのだろう。主要キャストである湯婆婆(ゆばーば)、銭婆(ぜにーば)がぽちゃさんだから?違う。私は確かにぽちゃさんは好きだが、あんな一撃で首をへし折る怪光線を発しそうな婆さんに欲情する趣味はない。 すると私がロリコンだから?うーん、確かにどちらかというと間違いなくロリコン入ってる私だが、千尋は10歳である。幾ら何でも若過ぎる。だいたい設定資料を見ると千尋の両親は私と同年代ではないか。自分の子供ぐらいの年齢の小学生に性的好奇心を抱くほど私も変態ではない。 それでもネット上の映画フォーラムなんか見ると「千尋が映画の最中で初潮を迎えたらしい描写があると聞いて驚いて見直してみたら確かにそんなシーンがありました、ビックリ!皆さんよく気付きましたねえ」なんてレビューがあるのだが...私なんかはサラリと「ああ、初潮だな」と最初に見た時に気が付いたクチである。そう言うシーンを呆気なく理解出来てしまう自体やはり変態か、そうでないのかと言えば変態では無かろうかという気がしないでもない気分である。ついでに変態と言えば、宮崎駿さんの少女愛は本物だろう。あの千尋の走り方!こないだ近所の女子小学生がわーわー言って走ってる姿を見て驚いたのだが、何と千尋の走り方と一緒なのである。両手をちょっぴり高く上げて若干内股で走るあの走り方。うーん凄い観察力だなあ、はやお。やっぱり多少変態である方が才能は発揮出来るという事だろう。 あと、舞台となる「油屋」が所謂「遊郭(娼館)」である事は、考えるまでもなく見ればわかる事だと思っていた私だが、意外と気付かない人も多いようで驚いている。 それどころか「油屋が娼館だなんて...そんな変態的な見方をして何が面白いのですか!」などとネット上で怒り狂っている人もいる。いやあんた、誰がどう見ても遊郭じゃないですか。宮崎監督自体もインタビューなどを見ると当たり前のように「油屋 = 遊郭」である事を前提で語っているのだが、どうもその辺気付かない、或いは気が付いても汚らわしいモノとしてスルーする人が多い事に驚いている。だがひょっとしたら私や宮崎監督は変態で、変態間でしか通じない共通言語なのかも知れない。 なに、出会った事もない大監督を一方的に変態と決めつけるだとか酷過ぎるではありませんか、とな? でもカリオストロの城の昔(もっと言うとそれ以前)からそうだけど宮崎監督って何をどう見ても少女大好きアニメ監督じゃないですか。私のように「私はぽっちゃり愛好家です」とカミングアウトしてないだけで。 そんなわけで才能のある変態は変態が恥ずかしい事でないことを世間に示すためにも自分の少女趣味を全世界に堂々と発信して欲しいものだ。ハイ。 で、話を戻すとそんな「初潮のシーン」にはめざとく気が付いた私だが、逆に多くの観客が気付いたラストの「髪飾り」は言われるまで気付かなかった。 うん、別に私は物事によく気付く人間というわけではなくて単に変態的な部分に気が付くだけの男なのかも知れない。まあ...どうでもいいけど。 要するに私は未だに「千と千尋の神隠し」に夢中だという事だ。二年ぐらい前にも同じようなブログ記事を連発していた記憶があるがそういう事である。ナウシカとかラピュタ、もののけ姫なんかはそんな大してファンでもないのに、どうしてこの作品だけ私の胸にドドンと突き刺さるのだろうか。じゃりン子チエを大人しくしたような顔のガキに過ぎない千尋に心惹かれる理由を誰か私に教えて欲しい。 「大の大人が休日にそんな人生で本当にいいのか?」と言う問題は確かにあれど、それだけ私の心を惹き付けて放さぬ作品であるという事だ。 千と千尋の神隠し、侮れじ。
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