恐るべき未来
今日、刑務所に戻りたいと言う万引き犯に出会った。60歳ぐらいで前科6-7犯。前科持ちと言っても全部窃盗というショボイおっさんだ。
何でそれが私にわかるのかというと担当の警官が笑いながら教えてくれたからである。警察官と言っても人の子、口が軽い人は軽い。ちなみに私も軽い方である。女の子の体重と同様この辺は重く改善しなければならないだろう。 で、この犯人だが、換金性のある商品棚周りに現れて下見に2時間、翌日の今日、再び現れ3時間、計5時間、えらい時間をかけて万引きの用意をしていたのである。
それでとうとう決行したのだが、最初から「怪し過ぎる奴」としてマークし警官も用意していたのであっさり御用となった。合計5時間かけて4万円の商品一品をチョロまかすという小物だが、どうも従業員からマークされていることがわかっていたらしい。それで延々と人がいなくなる時間帯を待っていたようだが耐えきれなくなって実行に及んだわけだ。 最後はもう「捕まってもいいや」という思考に及んだらしい。それ故みられていることがわかっていても手を出し、呆気なく捕まった次第である。 「なぜこんなことをしたんだ」 「いいから早く刑務所に入れてくれ」 警官との問答を横で聞いていて思わず噴いてしまった。話を聞くとこの男、先週まで刑務所に入っていたが任期を終えてしまいシャバに戻ったはいいが食う手段を持たずひもじい思いをしていたという。当然といえば当然で、新卒大学生の62%が職に就けないこの時代にこんな男が飯の種にありつけるわけがない。なので、商品を盗んで質屋に売り飛ばす生活を重ねていたが、もう面倒臭くなったので「捕まって務所に入りたい。三食食えて寝られるから」、と主張するのである。 たまにニュースで聞く犯行動機だが、実際に目の前でそう供述しているのをみると中々新鮮な気分である。たまにぽちゃさんではなく痩せた子の乳を揉んだりすると新鮮かもしれない。いややっぱり私はぽちゃさんの乳のほうが好きだ。そこらへんはブレのない人生を歩みたい。 それはともかく我々の税金でこんな男を食わすのも癪なので、こういう人間は強制労働の刑にでも処しておけば良いと思うのだが、残念なことに日本は人権に配慮する法治国家である、そうもいかない。 しかし同情の余地もある。この日本、これまでは人間どんなに落ちぶれても健康でさえあればタコ部屋なりなんなりで食い繋ぐことは出来たのに、今ではそういう労働機会もないようなのだ。 不況とは困ったものである。日雇いの町として有名な寿町にしても、バブル景気の頃は本当にただ「仕事をしたくない」というだけの怠け者がたくさん野宿生活をしていて、動く意思があるものは港湾労働で小銭を手に入れ簡易宿泊所で屋根のある生活を維持出来ていたというが今は違う。病気や高齢という理由がなく、体も動き労働の意欲もある人間であっても仕事がないのだという。そうすると野宿しかない。つまりは不況が困窮する生活者をさらに苦しめているわけだ。 「貧乏といえども俺は仕事に就いているからあいつらとは違う」なんてのほほんと構えていたらいつ自分が同じ境遇になるか。人生は可能性という名の糸の織物である。悪い可能性も良い可能性と同じように我々の未来には存在する。刑務所に入りたいと訴えるこの愚かな老人は明日の私の姿かも知れない。 「織物というとサテンですか?デニムですか?自分は渋く緞子(どんす)柄が好きです」 いや済まない、そういう話をしているわけじゃないんだブラザー。君とはどうも話が噛み合いそうにないな。ところで話の脱線ついでに緞子というと、昔競馬アナウンサーの杉本清の名実況で有名なブロケードの桜花賞(1981年)、「金襴緞子が泥にまみれてゴールイン!」という絶叫が有名なのだが、氏曰く「ブロケードってのは日本語で言うと金襴緞子の事なんですよ。これを知っていたからああいう実況が出来ました」との事である。が、私は「金襴緞子」というものが何であるか知らなかったので結局話を聞いても意味がわからなかったものだ。今ではインターネット検索で金襴緞子と打ち込めばぱっと説明文と画像が出てくる。便利な時代になったものである。アッチョンブリケ。 ここで話を戻そう。不況である。 ここまで不況だと自民党政権みたいな「困ったら公共事業」という国家振興策も悪くない気もしてきた。勿論民主党大嫌いな私としても、前回の選挙で小泉のバカ息子とか昔からのいつもの老害議員が当たり前のように立候補して来るる自民党を見ているとやはり投票する気が起きず、入れるところがなくなって仕方がないので「みんなの党」に投票しちゃったりするぐらいのダメ政党であることに間違いはないが、それでも基本的に雇用機会が増えることは良いことである。こんなやる事なくて刑務所に戻りたがっているような駄目なおっさんでも世の役に立つ機会が生まれるわけだ。 労働意欲があるのに労働機会に恵まれない人間が多い状況というのも非常に勿体ない話である。 いやらしい爆乳を所持しているのに恥ずかしいからという理由でガッチリ厚着で体を覆い、肌の露出を隠しているぽちゃさんぐらい勿体ない。エルピー・プルに慕われていたのに妹恋しさで全く相手にしていなかったジュドー・アーシタぐらい勿体ない。ちなみに私は決してロリコンではないがプルよりプルツーのほうが好きである。 夢も希望も未来に通じない人生があるとしたらどれだけ恐ろしい世界だろうか。せめて働きたいという意欲さえあれば仕事にありつける世の中であって欲しいものだ。 そうだシャア、私にはぽちゃさんを無傷で手に入れたいという欲がある! しかしこの世に女の子が存在しない世界があったとしたら手に入れるも糞もない。可能性ゼロだ。ゼロの宇宙は牢獄である。 不況も抗って乗り越えられる程度の不況であれば良いが現実は深刻だ。 私たちの未来は、どれだけの可能性に巡り合えるのだろうか。
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