共存のロマンス
カキフライ定食が美味しそうだ、しかしもう一つのお勧めは牛丼定食(温泉たまご付き)である。しかしどちらも注文するというわけにも行かない。悩ましい。
我が社では社食のお勧め定食は基本的に一日二品である。ホッケ定食とボンゴレスパゲッティのように大して好きな食物でもない組み合わせの場合もあるのに、どちらも美味しそうな場合もある。理不尽な人の世を示すような天の采配である。
ぽちゃさんでも同時に二人から交配をせがまれたら嬉しいが非常に辛い。私も大概中年なので、同時に二人のぽちゃさんとアハーンウフーンする気力体力はあんまり持ち合わせていないのであった。同時じゃなくて時間を置いてならまあ何とかなるけど。 同時にヨーロッパ旅行と南米旅行を行えないように、人間には行動の限界がある。かつて一度だけ昼休み休憩で二つの定食を同時注文した事があるが、お腹が膨れすぎて仕事をやるどころの騒ぎではなかった。二兎を追う者は一兎をも得ずと言うが全く同意である。勃起しながら小便が出来ないように、同時進行は難しいものなのだ。 それでも甘いキスをしながら空いた手で乳首を摘めるように、努力次第では二兎を追いながら両方をGETする事は物理的に可能かも知れないと思い立った次第である。 東大出のプロ野球選手もいる。コロンビア大学出のメジャーリーガーも結構いるらしい。連邦籍とジオン籍の二つをGETした赤い彗星の例もある。 しかしやはり現実は厳しい。 例えば私の学生時代の通学路にファミリーマートが一軒ある。一本道でスペースの問題か競合店がなく、一人勝ちの状況が続いていた。 しかし態度が悪かった。みんな余り良くないのだが特に従業員に厳しいのはいいがお客さんにも強く当たる間抜けな女将がふんぞり返っていたのだ。そうしたら真横にローソンが出店し、もはやファミマは風前の灯火だ。店も綺麗で接客も普通。これでは勝負にならない。 私も昔の癖でファミマの駐車場に入りそうになった後わざわざもう一度新しいローソンに向かい直すぐらいである。なぜそこまで嫌うのかというと前はそこしかなかったから仕方なく嫌々ながら利用していただけで競合がある以上その店に行く必要も必然性もないからだ。 それでも何とか踏ん張って経営を続けているようだが、ローソン本部は鬼だった。今度は反対側に別のローソンを出店させたのだ。図にするとこう。
新々ローソン--(約300M)--ファミマ-(100M)-新ローソン (全てのコンビニは同じ側の車線)
ちなみにこの道路は一本道で枝道がほとんどなく、実質ファミマの両脇をローソンが固めているようなものだ。ほとんどいじめの世界である。 ファミマを潰すための配置だろうが、もし潰れたとしてもその後至近距離のローソン同士で競争が始まるわけで、ローソンの開店担当もえげつない。 「競わせて売上を伸ばさせる。共倒れになるって?その場合は片方整理すればいい。困るのはうちじゃなくてオーナーサイドだしな。最悪でもローソンが一店舗残ればいいのよ、ククク、クッククック、私の青い鳥」 いやはやドライでクールな世の中だ。一人だけが勝ち残ればいい。そんな価値観が世界を支配している。 先日はカキフライが私の中で勝利を収めた。牛丼にリベンジの機会が与えられるか否かは不明である。 ぽちゃさんにも一人だけのぽちゃさんが勝利する時代がくるのだろうか。 それはあまりにも切ない。 全ての豊満女体に幸福を。 この私の願い、叶えたいものだ。 ところでコンビニに話を戻すと、「この店態度悪いな」と感じてその後潰れずに今も存続する店は私の近所では鎌倉街道の某スリーエフだけだ。ここは大分お店の雰囲気が改善された。こういう店もある。 ファミリーマートも諦めずに頑張ればどうにかなるかも知れない。まあ、難しいと思いますけどね、あの接客じゃ。
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