笑えるが笑えぬ派遣村騒動
ここ最近の最強のニュースと言えば「派遣村人、2万円貰ってトンズラ」である。8日夜、失業中のホームレスのために税金を使って提供している山谷地域越年越冬宿泊援護施設「なぎさ寮」(東京都大田区)にて、入所者に求職用途の2万円(都民の税金)を渡したら翌日554人の内204人がアブク銭手に消えてしまったのだとという。 (画像は再録) 勿論彼らが2万円元手にして求職活動を励むために施設から出て行った、それがたまたま無許可だっただけだ、なんてことは有り得ない。何の証拠も根拠もないが絶対ないと断言出来る。だって久し振りに大金手にして舞い上がっちゃっただけに決まっているじゃないですか、そんなもん。 何と刹那的な人種なのだろうか。我々の業界で例えると前払いでお金を受け取った直後、ジジイがシャワーを浴びている間にラブホを飛び出してしまうぽちゃ娘みたいな感じである。その後我慢すれば次回次々回のお金にもなるだろうに。え、それは犯罪ですって?スミマセン、不謹慎な例えで。
で、話をあいつらに戻すと、翌朝、近くのコンビニでは酒やタバコ、スポーツ新聞がバカ売れ、完売したという。9日は中山競馬場で寒竹賞が行われた。こんな重賞でも何でもない単なる500万下特別競争に全てを賭けた男もいるだろう。また或いは多摩川を越え川崎に向かったかも知れない。 川崎競輪(南関)は開催されていなかったが、お隣の川崎競輪ではFII戦が行われていた。また悪い事に当日は熊本記念場外も兼ねている。何でもネットで見てみたら今回の熊本競輪は記念競争としては言う事無しの豪華メンバーなのだそうだ。確かにちょっとメンバーを見ただけでも競輪をやらない私ですら知っているS級のスターたちがズラリと勢揃いしている。海老根、五閑、坂本、山田、吉田、田中、石丸、合志、武田、松岡...おお、我らが今井裕介も参戦しているではあーりませんか。私は競輪はスポーツ新聞で記事を読むぐらいしか知識がないのでここら辺の名前しか知らないが、それでもこれだけのメンツである。他にも私の知らないスターが他にもいるのだろう。駄目だこりゃ、2万円握りしめた村人たちの姿が目に浮かぶとしか言い様がない。 そしてそこから10分も歩くと堀之内である。高級ソープからちょんの間までバラエティに富んだ風俗ゾーンだ。ぽっちゃり専門風俗が殆ど存在しないようなので私個人的には眼中にない街だなのが(その点新大久保は素晴らしい)。 2万円を手に性欲を吐き出さんと意気込む男たちの勇姿が滅茶苦茶簡単に脳裏に浮かぶ。 まあ川崎にこだわらなくても(遠いし)、大田区内のパチンコ屋やスロットに駆け込む人たちもいただろう。 いずれにせよ1月10日現在、彼らの手元にあった2万円がそのまま残っている可能性はゼロに限りなく近そうだ。トヨタ2000GT、ドリー・ファンクJr.の頭髪残量、沖縄県の降雪確率、インドとパキスタンの和解確率、ジミー鈴木の信用みたいなものである。 とは言え、だ。私も(あなたも)一歩間違えれば彼らと同じ立場なのである。俺だけは違うだなんて断言出来る人間の顔が見てみたい。女性だって、若者だって同様だ。 今の日本はそう言う国だ。それ故にホームレスたちを見下すつもりは全く無いが、やっぱり今回の件に関して言えば「でもクズはやっぱりクズだなあ」としか感想が思い浮かばない。たったの2万円で全てを捨てて飛び出すとか、清々しいまでの刹那主義っぷりだ。そして多分、お金がなくなったうちの何割かは素知らぬ顔をしてしれっと村に戻るのだろう。そしてまた口を開けてもう出るはずもない次の高額支給を待ち続ける人間がいるのだろう。 本来嫌いな人なんだけど、石原都知事が「あんな奴ら本当は知ったこっちゃねーよ」みたいな談話を出してしまう気持ちも良くわかる。私も表面的にはリベラリストを気取ってはいるが、実際のところ、基本的にはあまり人権主義的な思考の持ち主ではないので「もうこの飛び出た連中全員中国のダム建設現場にでも送り込んで強制労働でもさせておけよ」と言いたくなってしまう。だってこんな人たちもうどうしようもないじゃないですか。だいたい身よりもなく会社も倒産し、働く意志がちゃんとあるのに失業してしまい、施設の劣悪な環境の中求職活動を頑張っている入居者もいるのに、片や税金から支給された2万円で一日かせいぜい二日、ひょっとすると数十分の豪遊の為に全てを投げてどっか行っちゃったわけである。全ての人間に救いをもたらす事は不可能だと断じざるを得ない。 しかし、やはり。 こうやってお笑いの対象にして語ってはいるが。 自分が同じ立場だったらどうなるだろうなあ。などと考えてしまうのもまた事実。あの古臭い隠し事満載団体プロレスリング・ノアですら一気に選手、レフェリー7人のクビを発表した(まあ去年から整理はじめてたんだけど)。そう言う時代なのだ。個人的には田上とか、まだまだ要らない奴らがたくさんいると思うのだけど。ナニ、田上は社長だって?で?田上が社長だから何なの?社長だろうが何だろうがトイレタイム要員の選手なんか要らんだろと敢えて冷たく突き放したい。だって田上だもん。しかしその田上だって、経営者として責任を問われ、いざとなったら詰め腹を切らされる立場となってしまったのだ。 誰も明日の保証をしてくれない。 ブログでも何回か書いたが、数年前私の部署に郵便局崩れの中年男性が入ってきた。彼は恐らく大学を出てからリストラを受けるまでの25年、一切何の努力もしてこなかった男だった。何でそんな事が言えるのかというとそんなものは仕事を見てりゃわかる。親方日の丸の公務員である郵便局員を適当にやって、一生過ごせると信じていたのだろう。旧国鉄・JRみたいに民営化されてリストラ刊行だなんて、夢にも思っていなかったのだろう・彼には高校生の娘がいた。仕事は一切しなかった。入社した一週間後から、手を抜いて遊んでいた。 どうせ保証がないならば、せめて堂々と前のめりに倒れたい。 何でそんな風に思っているかというと決して私が真面目な人間だからではない。ぽちゃさんにモテたいからだ。モテる男ではなくても、モテたいと切望する意志はあった方がいい。刹那的な人間は、決して彼女たちの心を射止められない。少ない可能性が益々ゼロに近付いてしまう。 2万円手にしたぐらいで逃げてんじゃねえっつの。 例え人生で躓いたとしても、落伍者とならなければ無限の可能性が残されているはずだ。 負けても挑戦権は失わない。それぐらいの「自分」はぽちゃさんにアピールしてみたいものだぜ。ウヒョ!なあ鳩山。
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