吉田所長謀反
農地を開拓する人民を見て、農業の素人の金日成は「見栄えがよく、収穫量が増えるから」と言う理由で多毛作と種苗の無理な詰め込み畑作を命令した。一年後、農地は美しい緑でびっしりと埋め尽くされた。大豊作を呼び込んだ金日成の政策を、緑溢れる大朝鮮を、国は高らかに謳い宣伝した。
気が付いていた人間は大勢いたはずだ。限られた土地に負担を強い、土の手入れもろくになく一度に田畑を耕せば、数年も持たず土地は痩せ細り、いずれ土壌は崩壊するのだと。農地も女体も痩せっぽちは何も良い事がない。専門家ならずとも、軒先でトマト(キュウリでも可)を栽培した事がある程度の子供でも知っている事だ。
偉大なる領主様である金日成にそれを進言出来る人間はいなかった。一刻の豊作は金日成の手柄となり、やがて訪れた恐慌は金日成の作り上げた農業システムを守れなかった役人の責任にされた。多分処分されたのだろう。 以降、北朝鮮の土壌は壊滅し今に至る。不作も飢饉も、一度の取り返しの付かない判断ミスが産み落としたものだった。 一方二十一世紀の日本では、自称「原子力に詳しい」菅直人と言う人が原発事故で海水の注水中断を命令した。金日成は北朝鮮の農業を十年、百年の単位で壊滅させたが、原発の注水作業が中断されていたら東日本は数万年と言うレベルで壊滅していたのだろう。 運が良い事に福島第一原発吉田昌郎所長の判断によって指示は無視され東日本の壊滅は福島東部の壊滅に抑え込まれた。勿論これでも十分大失敗だ。東電の指揮系統の混乱や一所長の独断で我々の命運が左右されるという問題は残る。しかし被害が抑え込まれた事は事実だ。 金日成にはいなかった「NOと言える周囲の人」が菅にはいたと言う事だろう。まあ金日成の場合は粛正で排除されるから言いたくても言えなかったのだろうが。 菅はメンツを潰されたと激怒しているだろうが、日本を滅ぼした愚人として世界史の教科書に載らずにすんだのだから感謝しなければなるまい。今ならまだ未来の日本史の参考書で「愚将と呼ばれていた」と揶揄される程度だろう。 ギャラクター、もとい、初夏(ショッカー)である。花粉症さえ発症していない人間ならば年間でもっとも過ごしやすい季節だ(梅雨入りしちゃったけど)。ぽちゃさんの服装がどんどん薄くなりたわわな乳の実りや太ましい股肌が露わになっていくわけである。神はいた、ブラボーなのだ。 菅にも神はいた。吉田のおっさんが命令を無視してくれたおかげで何とか地球破壊の始祖とならずに済んだのだから。 吉田所長は菅と同じく東工大出身だそうだが、さすがに学生運動で遊んでいた先輩よりは原子力に詳しかったのだろう。一人だけワルプルギスの魔女に関する情報を蓄積していたほむほむのように。 ビンラディン殺害で大喜びする国民に「人の死でそんなに大喜びするなんて良くない」と正論を吐いたNFLスティーラーズのラシャード・メンデンホール選手が大バッシングを受けた挙げ句スポンサー(チャンピオン)からも契約を打ち切られたと言う。アメ公どもの言論の自由なんてこの程度である。多数派の意見が常に正しいとは限らない。吉田所長もだからこそ独断で注水継続を決めたのだろう。正しい判断を上部が下せず、勝手に個の判断で現場が行動、連絡無視出来るなど異常な組織であるとしか言い様がないが、結果オーライだった。 さて勿論東京電力の事だから今回も嘘出鱈目を発表しているだけと言う可能性もある。一から百まで嘘塗れの東電を素直に信用出来る日本人などそうはいない。ぽちゃさんの肌なら触れているだけで幸福を実感出来ると言うのに。 私たちは脆い現実を土台として生きている。常に正しい判断を下せるよう心掛けねばならない。 北朝鮮の笑い話は、他人事ではない。
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