予算は安く、志は高く
賃貸アパートを借りる事を考えていて、その後格安中古物件を購入するのも悪くないと思い直し不動産サイトをサーフしたり実際に現場に行って物件を見てきたりしている私だが、どうも上手くいかない。周囲に相談する度に異なる意見が出て来るので非常にイライラするのである。
人が三人集まると二つの派閥が生まれるが、不動産に関しては三人に相談すると五つぐらい意見が産み落とされる状況だ。それが心躍らせるアイディアならいいが、お金の問題を抱える中「あれがほしい、これがいい」「あれは良くない、これが悪い」と言い出すと切りがない。どこかで割り切らないと物件は手に入らない。
こう言う時はただ無心になってぽちゃさんに乳に顔を埋もれさせれば気も晴れようという話である。しかし今直近にぽちゃさんがいないのでそう言うわけにもいかない。イライラは高まるばかりである。たかが住む場所一つどこでもいいというのが私の本音ではあるのだが、やはり家族も絡むとなると自分一人の問題とはいかない。面倒臭いものである。 ぽっちゃり風俗と同じで、お金をケチると四十分コースの何だかどうでもいいようなショートタイム接待程度しか受けられないわけで、じゃあお金をケチらず三時間ぐらいのロングタイムコースを選べばいいじゃないと言われてもそんな二万も三万もするような大金をぽんぽんと使える立場ならば誰も何も悩まないわけだ。 全ては貧乏が悪い。今なら共産主義に夢中になった十九世紀の愚民どもの気持ちがわかる。資本主義だとどうしても「隣のあいつはあんなにお金を持っているのに俺は持っていない、不公平だ」となってしまうのである。実力の世界ならそれでもいいが、たまたま資産家の息子に生まれたと言うだけでお金の心配なく過ごせたりしている人間も現実に存在するわけで、そうなると庶民は僻み根性を発揮するものだ。当然私もそうである。ああお金が欲しい。 ああ金が欲しい 欲しい欲しい欲しい 金が欲しい 心からの叫びである。しかしながらどこにもぽちゃさんに対する愛は感じられない。心からの叫びの中に、ぽちゃさんに対する想いが溢れていないというのが問題だ。 貧すれば何とやらと言うが、今の私が正にそれだ。私は今正念場にいるのかも知れない。 金と不動産の問題をクリアして、先に進みたい。それが私の、今抱える焦燥感である。
|