桂三枝、六代目桂文枝を襲名
桂三枝が齢六十九にして改名を発表した。六代目桂文枝。長年親しまれてきた桂三枝の名前を捨てるにつけ周囲から反対の声が上がっていたと言うが当然である。しかし本人は「平成の桂文枝」を確立したいと張り切っているという。
申し訳ないがこんな絶対に成功するわけがない無意味な話題作りに走った桂三枝の感覚の衰えっぷりに驚いた。それとも本気で桂文枝の名前を広めようと決意したのだろうか。だとしたら三十年前にやっとけよと思うがどうだろう。長い事ぽちゃさんを続けていた人が七十になって突然ダイエットを始め三十キロ減量を目指すようなものである。
無理をして変わったところで誰も喜びはしない。こぶ平が林家正蔵に変わった事(*)だって社会には何のインパクトも与えていないのに、改名がグレードアップになるだなんて古代の思考を未だ抱える落語界はさすが歴史のある世界である。 それにしても馴染みのある名前をこんな年寄りになって捨ててしまえるなんて、桂三枝は何と柔軟な考えの持ち主なのだろうか。それとも逆に歳を取って「変えると言ったら変えるんじゃ」と言い張る混迷な性格になったのかも知れない。その辺は良くわからない。でも本人がどうしても変えたい、文枝を襲名したいと言い張ったのだから仕方あるまい。どうせ桂三枝なんて過去のタレントだから今更何の影響もない、好きにさせようという判断が働いたのかも知れない。 さようなら桂三枝、こんにちは桂文枝。 人は皆変わる。買われる甲斐性を持っている三枝はまだ、何か新しい自分があるはずだと信じているのだと肯定的に捉えてあげよう。いつまでも過去の栄光が忘れられず、それでいて変化を拒む老人よりは遙かにマシだ。 世の中には減乳手術を受けるぽちゃさんもいる。それに比べれば大した話ではない。 桂文枝のこれからを、、応援しようではないか。
(*)-実は顔に似合わず正統派路線を目論んでいたらしいこぶ平は「小太り」から取られたこの芸名が嫌いだったらしく、自分にこぶ平を言う芸名を付けた自分の親の林家三平に不満を持っていたという。どう見てもお似合いな芸名なのに、馬鹿なヤツだ。
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