雨の馬鹿
今日は朝起きたら目も眩むような土砂降りだったのである。春の空模様は乙女の気紛れ、ヘソを曲げられると手に負えない。男も社会人も辛いのだ。 そんなわけで雨合羽三枚重ねの重装備で顔面に突き刺さる雨の痛みに耐え抜きスクーター出社したのだが、必死の思いで会社に辿り着いてしばらくしたら小雨になりやがんの。着いてから雨が降り出す分にはいいが逆は許し難い。こうなると今度はヘソを曲げるのは私の番である。 「全くもう、ふざけんなよチクショー。一体何だってんだこんのヤロー」 ぽちゃ子さんだったらもう少しかわいらしいヘソの曲げ方もあるのだろうが生憎私は中年男性である。 眉間にしわを寄せて心底不機嫌そうに呟くわけであった。 でもだからといって私を怖い男だとは誤解しないで頂きたい。だいたい三十路も後半の男性が「もゥ!参っちゃうじゃない、春のお空の怒りんぼサン(/ω\)あんまりザーザー降っているとお顔に小じわが寄っちゃうゾ(#^.^#)」なんてアニメ声でブツブツ呟いていたらもっと怖いではないか。怖いというよりおかしな人ではないか。だから多少ご機嫌斜めの私がバカヤローとかクソッタレとか品のない言葉でプンスカしていても仕方ないものと諦めて頂くしかないだろう。 ぽちゃさんが「あーん、濡れちゃったぁ」「いやーん」と口にする分には許されるが男はそうはいかない。
「いいからとっとと仕事の準備しろよ。濡れた?着替えはないのか?こんなに雨が降っているのに着替えの一つも持ってきていないのか。お前のそういう普段の心構えが仕事の出来なさを物語っているよなあ、本当に」 こんな酷いイヤミを言われるのがオチである。 そもそも男が「いやーん」なんて言いながら会社の門をくぐってきたら後ろから延髄斬りを一発ヒットさせたいぐらいの殺意が芽生えるだろう。同じ行動を取っても男と女では全く別物になってしまうという事だ。例えば女子中学生と男子中学生。前者は愛らしい限りの存在だが後者はただ単にうるさいクソガキである。これは事実だ。女の子は小学生と中学生でえらく違うが男は生意気さが増して色気付いただけで、全く同レベルの馬鹿のままである。 チャム・ファウがオスだったら聖戦士ダンバインは名作として語り継がれる事はなかっただろう。性別の差異とはかくも重大な要素なのだ。 ですので今日(18日)の私は前日とはまた別の理由でブルーな気分の職場でした。 どうにもままならぬ毎日である。 「雨が降ってぬれただけで気分を害したり拗ねたりなんて、これまた幼稚な感性の持ち主なのですね」と思われる方もおられよう。 うん、自分でもそう思う。 しかし私は常に自分に正直に生きたい男でもある。害してしまったものは害してしまったのだ、仕方ないだろうと開き直りたい。 ま、こういうイマイチ気が乗らない週もあるって事で。 パッとしない感じですな、ほんとに。
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