AIGより凄いぜアメリカ
さて昨日、前回のブログ記事の続きである。 私を含む世界中の貧乏人のハートをヒートさせたAIG幹部社員巨額ボーナス受け取り事変だが事態は急展開を見せている。
アメリカ下院議会は(日本円換算で)約5000億円以上の公的資金を受けている企業内で約2500万円以上の年収がある社員がボーナスを貰った場合、ボーナスに対して90%の特別税をかけるという法案を緊急可決した。 ちなみに残りの10%は州の所得税やなにやらで手元には殆ど残らないため、事実上の100%返還と同様である。つまりはアメリカ国家の判断として「おめーらには1ドル、1セント足りとも渡さねーぞ」と言う強い意思表示の表れなのだった。
アメリカ凄えええええ! 私は基本的にアメリカが嫌いだがこういうところは好きだ。 勿論好きといってもぽちゃさん程ではない。 せいぜい人参より好きとか、ブロッコリーよりは好きだとか、その程度のレベルだ。ではホカホカのジャガ芋とアメリカではどうだろう?これはジャガ芋の圧勝だ。 しかしサツマイモとアメリカだと拮抗した感じになる。私はジャガ芋の方がサツマイモより若干好きな人間なので、こういった微妙なところが問題になるわけだ。 一口に「好き」と言っても色々あるという事である。 不等号で表してみよう。
*アメリカ > 横浜マリノス *アメリカ < 明太子チャーハン *アメリカ > 世界史 *アメリカ < 地理 *アメリカ < ヤッターマン *アメリカ > 怪盗きらめきマン *アメリカ < 魔法騎士(マジックナイト)レイアース *アメリカ > エヴァンゲリオン *アメリカ > ドクターペッパー *アメリカ > 梅昆布茶 *アメリカ < キリンレモン *アメリカ < 爽健美茶 *アメリカ > 杜仲茶 *アメリカ < 髭男爵 *アメリカ > ギター侍 *アメリカ < ロッテリア *アメリカ < ドムドムバーガー *アメリカ > バーガーキング *アメリカ > 華屋与兵衛 *アメリカ < 焼肉ビール苑
10対10。決着は付かなかった。私の中のアメリカの微妙な位置がご理解頂けただろうか。頂ければ幸いだ、ああ。 そんなわけで私にとってのアメリカLOVE度数はぽちゃさんの足元にも及ばないと判明した。やはり私はぽちゃさんの天使なのだ。グフフ。 話を戻そう。 私は基本的にアメリカが嫌いだがこういうところは好きだ。 奪われた血税を取り戻す執念と迫力に圧倒されそうだ。国民も大喜びではなかろうか。正直強引で大丈夫かな、とも思える法案だが、バカな与党と何でもハンタイの愚かな野党が綱引きごっこしているだけの日本では絶対起こり得ないムーブメントである。そしてテレビや新聞社といった特定企業お抱えの宣伝屋が大騒ぎするに違いない。だがアメリカは良くも悪くも白黒はっきりさせたがる国家なのだろう。こういうダイナミズムは正直嫌いではない。 命拾いした企業もある。 AIGのボーナス事件について、あまりの反響の大きさに同じく資金を受けているクライスラー社が予定していた役員へのボーナスを支払い見送りにしていたが、結果的には正解だったと言えるだろう。もしAIGの件が起こる前に支給していたら...BIG3の一角名門車体メーカー・クライスラーは確実に潰れていただろう。クライスラー幹部は今頃胸を撫で下ろしているに違いない。 しかし当然大企業の幹部連中とは銭ゲバばかりなので、この期に及んでも色々と策を練っている会社も存在する。 具体的には同じく破綻寸前公的資金投入金融大手のシティグループでは「ボーナスだと課税されるから給料(月給)そのものを賃金アップさせたらどうだろう」という、ナイスアイディアというか本末転倒というか、いずれにせよ破産寸前に税金で救ってもらっている企業とは思えないシンデレラストーリーを脚本している最中だそうだ。 アメリカが救おうとしているのは金融システムであって各社の幹部個人ではないのだが、どぐされゴロツキ金の亡者的方々にとってはどうでもいいことなのだろう。 シティ本社で幹部社員を仮想敵に制定しアメリカ陸海空軍の合同実弾演習を行うとか、それなりのペナルティが必要なのではなかろうか。 さて、今回の法案の可決については、AIG、及び資産家を標的とした個人の資産を国が強奪するための問題法案と捉える向きもあろうが、正直こんな連中脱税と同じ罪で実刑ぐらい与えても良いと思う。日本でも生活保護なのに月何十万も受給している「特別な方々」なんかが存在するが、こういうのは何とも許し難い。 私はぽちゃさんを通し愛を啓蒙する聖人君子でありたいと心掛ける一紳士だがそれはそれとしてお金も好きだ。これは間違いなく好きだ。スーパー好きだ。明太子チャーハンや魔法騎士(マジックナイト)レイアースよりも上だろう。大船軒のうどんくらい好きかも知れない。これは私の中ではかなりの高ランクといえるだろう。 創業百二十一年、老舗の味は伊達ではない。 つまりはそんな大好きなお金を税金から分捕って私腹を肥やす悪党に対しては極めて冷たい視線を送るしかないというのが私という人間だ。 同じ理由でヤクルトの宮本やソフトバンクの小久保がどれだけファンに賞賛され認められようとも私としては「脱税野郎」のままである。申し訳ないけど。まあ二人とも実際のところ本当に素晴らしい野球選手なのだろうが...私の凝り固まった脳味噌ではそんなので納得は不可能である。彼らには貧乏人に僻まれると一生レッテルを貼られ続ける事になるのだと諦めてもらうしかないだろう。 ぽちゃさんに自動的に与えられる「かわいい」というレッテルなら歓迎だろうが、大概の場合レッテルとはネガティブな意味で使われる言葉である。お金が絡むと尚更だ。 今回ボーナス賞与を貰っていないヒラ社員すら外食時にスーツの社員証を外さねばならない状態に陥っているというAIG関係者も同じである。世間の目は猛烈に厳しい。 それにしてもリーマン・ブラザーズを見捨てたアメリカがAIGを救った理由とは何だったのだろうか。そこまでして救わねばならない企業だったのだろうか。かたや経営破綻で完全倒産。かたや幹部にボーナス1億円とかやっているわけである。 人間社会は不条理で厳しい。切なさで涙がちょちょ切れる思いである。 そんな冷たい宇宙の片隅で震えているぽちゃさんがいたら私に連絡を取って欲しい。私だけでも君の力になりたい。 I'm power.I want to help you. そんなわけで今後ともよろしく。サンキュー。
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