便意に負けない男になろう
職場に新入社員や春休みの学生アルバイトが増えてきたがぽっちゃり女性がいないのだ。由々しき事態と言える。私の理想とする職場とは程遠い。
職場だけではない。あと10kg太れば絶対もっとかわいくなると勝手ながら確信させて頂いている深田恭子が逆に3kgダイエットしてしまうなど、どうも世の中の流れは私たちの理想通りに行かないようだ。 「適当にデザインしたボトムズは玩具が大ヒットしたのに、めちゃくちゃコンセプトを凝って作り上げたドラグナーの玩具は全然売れなかった」 メカニックデザイナーの雄、大河原邦男氏もこう言っている。神の決断は人の勝手な思い込みには左右されない。そんなわけで上手くいかない現実をいかに受け入れて突き進むか。それが問題だ。
今日の私も仕事中困った現実に苦しめられていた。 否、正確に書くと昨日からである。 お腹の調子が悪く、何とオナラをしようとすると空気ではなく実が出て来ようとしやがるのである。 「うッ」 絶望の慟哭が私の口から漏れたのは一度や二度ではない。 以前バイトしていた交通誘導警備だったら絶対仕事中に漏らしていた。比較的自由にお手洗いに行ける今の仕事を選んで本当に良かった。4年前の俺、ナイス!と今よりちょっぴり若き日の自分自身に愛のメッセージを送りつけたい。 それでもどうしても同じ場所から離れられない作業がお昼に一時間あって、本当に苦しかった。 いい歳こいて職場で大を漏らすとか、大人のやる事ではない。肛門に刺激を与えぬよう与えぬようそっと体を動かしていた昨日の私だったのだ。 とか何とか言ってたら今日、肛門も収まらぬ事態の身でありながら会社に到着するや否や緊急警報発砲!五年から十年に一度レベルの重篤警戒を我が社の防災センターに設置されている超旧式P型警報盤が吠え盛るのである。 「オイオイ嘘だろー誤報だろ」と思っていたら誤報じゃなかった。 <三時間経過> そんなわけで長くなるので話を端折ったが、オナラを放とうとすると100%実弾が出てしまう6/6リボルバー拳銃的ロシアンルーレット状態肛門でありながらトイレに行けない緊迫した時間を過ごしたわけであった。死者とか出なくてよかったよ、マジで。 しかしそんな状況でも、新しく増えた新人の女性社員やらバイトさんやらに目が行ってしまうのは男の悲しい必然というか性(さが)である。心落ち着け安らぎを覚えれば人は幸せになれるからだ。新しい女の子はかわいい。職場を浄化するチャンスである。だがそんなビッグチャンスなのに丸い子がいないという現実。面接官は何を見ていたのだろうか。細い小娘は要らねーんだよ。そんな子しか採らないなんて、人事の連中は何を考えていたのだろうか。国会で青島幸男が決めたのか?どうしても細い女の子を採るなら、それはそれで構わないから男の新入社員4名を全員内定取り消しにしてその分丸い子を優先採用するなど手はあるはずだ。 お腹はギュルギュル鳴るは仕事は突然の激務に放り込まれるはぽちゃルーキーはいないは、怒りのマグマで心が押し潰れそうだ。 しかし私は負けない。英語で書くと"However, I don't lose."。逆転の発想で痩せた子を飼い慣らし美味しいものを与え続けて短期間で体重増量を達成させるとか、いくらでもロマンを追い求める事は可能だ。正しくコロンブスの卵。自分の頭の良さに驚愕のあまりひっくり返ってバカになってしまいそうだ。 うっ、こんな事を書いていたらまたお腹が...!! 苦しい......今日は一日二十回はトイレに駆け込んだのである。軽い気持ちでの放屁の一発も許されない状況というのは本当に辛い。どうやら大腸の野郎が水分を吸収してくれないのである。 ここでネットで拾った下痢時の豆知識。 「長引く時には、激しい運動や仕事、ストレスの原因となることは避けましょう」 仕事......いや避けたいのは山々なんですがね、そうも行かないでしょう。頑張るしかないのが仕事である。 こうなったら新人女性に私の魅力を叩き込んで好みのぽっちゃりレディに仕立て上げるしかない。 仕事も頑張る。ぽちゃさんも育てる。これだけ出来れば少々の下痢ぐらいへっちゃらだ。我慢するしかない。 便意に負けない豊かな生活を。 男だったら、それぐらい成し遂げてみたいものだ。
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