魚介類の魅惑
肉料理と魚料理、私はダントツで肉料理が好きな男である。と言っても魚(をはじめとする魚介類)が嫌いなわけではない。肉が好きすぎるだけの話である。しかし最近魚の美味しさもわかるようになってきた。加齢により脂っこい食べ物を体が受け付けなくなったからか?
違う。私はそんな老人ではない、見くびるなと言いたい。ただ単に人生経験を重ねた事によって世の中には美味しいものが色々あって、それは肉料理に限った話ではないのだと学んだだけの話である。言わばまた一つ利口になったのだ。ただ性欲を持て余すだけだった若造の頃とはそこが違う。 そんなわけで魚料理が食べたい。私と魚料理を食べに行ってくれるぽちゃさんはおられないだろうか、今日のテーマは要するにそれである。
魚の旨さに気付いたのは結構最近の話である。具体的に言うと社食の定食で時々出てくるサーモンムニエルの旨さに驚いて以来、だ。 「あれ?こんなにサーモンって旨かったっけ?」 そう思ったのが運の尽き、どんどんどんどん魚が食べたくなってきた次第である。 秋は鯖が旬だ。サバ缶食べたいなあ。ツナ缶もそうだが魚と缶詰の組み合わせを発明した人は本当に偉人だと思う。取り敢えず調べてみたところ、缶詰の始祖と言えるガラスの瓶詰めを発明した人物はフランスのニコラ・アペールなる加工業者らしい。18-19世紀の人物だが90歳ぐらいまで生きた。私も同じように長生きしたいものだ。 まあいい、話を続けよう。 イカ(烏賊)も秋が旨い。私は子供の頃あまりイカは好きではなかったのだが今では何で好きでなかったのかわからない。ここで唐突に豆知識、セピア色の「セピア」とはイカやタコの墨の色の事なんですって、まあ、はじめて知りましたわ奥様。はい、豆知識終わり。 で、秋と言えばイカでもある。唐津は呼子にはイカ料理専門店があるという。くっ、佐賀県のくせに生意気である。 負けじと我らが神奈川でもイカ料理店があるか検索してみたが、イカ焼きのお店はあってもイカ専門料理店はないようだ。腰越とか三浦の三崎だとかイカがたくさん獲れる港はたくさんあるはずだが...どうも呼子漁港は他にも当然たくさんの魚介類が獲れる港らしいが、イカの産地として勝負を賭けている土地柄らしく、剣先イカを厳選し築地にまで直送をかけているぐらいイカに根性決めているらしい。 イカなんか日本中どこでも獲れる海産物なはずだがそれでも敢えてイカで勝負をかけているのだ。凄いぞ呼子町、ちょっぴり佐賀を見直してしまった次第である。 何せ全世界で獲れるイカの半分は日本人の胃袋で消費されているわけである(海外では鱗のない魚介類を食べる事は禁忌である場合が多いらしい。馬鹿な人たちだ、勿体ない)。日本の漁港はイカだらけだ。そんな中で「イカと言えば呼子町、呼子町と言えばイカ」と言われるまでに検討しているわけである。ちなみにWikipediaによるとイカの陸揚げ漁港ベスト5は1位-八戸、2位-石巻、3位-羅臼、4位-境、5位-函館...って、呼子漁港入ってないやんけ、おい。しかしそんな事は気にせず「うちがイカで有名な呼子漁港である」ときっぱり言い切っているわけだ。ある意味男らしい姿と言える。呼子漁港で陸揚げされただけで「呼子イカ」と呼称される勢いである。ブランドの力とは馬鹿に出来ないものだ。 そんなわけでイカ料理が食べたい。今度宝くじに当たったら唐津に行ってみよう。唐津のぽちゃさんはその際よろしく。 天麩羅も旨い。 イカに限らず魚料理に天麩羅はよく似合う。魚料理なのにカロリーが高いのでぽちゃさんにもお勧めだ、これで豊かな体型を維持出来る。大根おろしとの相性の良さはもはや奇跡の産物である。 そして刺身、寿司! 日本料理が世界に誇れるオリジナリティを有するのは山菜料理の他にこの魚料理のバラエティ豊かなところにもあるだろう。 何せ世界に目を向けても、魚介類を生食する人種はほとんどいない。日本人は工夫豊かに生臭い魚を調理する術を身につけ、数百数千年の時を刻んだ。 例えば「活き締め」、「神経締め」、「血抜き」などというと日本における魚料理の基本テクニックだが、実の所そんなテクを普通に料理屋や漁業のおっさんが有している国は世界広しといえどもそうはない。日本ぐらいなものである。高度というか、かなり日本独自の技術なのだ。 ヨーロッパにお店を出してるお寿司やさんなんかは、そう言った生魚に対する慣れのない欧州漁民の手際の悪さに臍を噛む想いだという。食材が生臭ければ寿司なんか作れない。ここら辺魚というと焼くか煮るしか脳がないヨーロッパ人には理解出来ないわけである。同じ理由で中国人も理解出来ないのだろう(中華料理は全て火を通す事が基本で生食は全く存在しない)。 ああ、魚介類万歳である。 そろそろふぐ料理も旬の季節を迎える。海産国家日本万歳なのだ。肉ばっかり食べてきた己が人生を反省したい。 でもカレーを心から愛する私としては、カレーにだけは魚介類混入は認めない。 魚臭さ、或いは磯臭さでカレーのうまみが台無しになってしまうケースが多いからだ。カレーは豚肉がよく似合う。他の肉類、魚介類は必要ない。異論は認めるが私の中ではそうなっている。ご理解頂きたい。 さあ私と一緒に魚を食べよう! 全国のぽちゃさんへのメッセージである。ところで一度石川県のふぐの卵巣の糠漬けを食べたい。石川在住のぽちゃさんは、その時私を優しくエスコートして貰いたく思う。頼むよ。
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