キン隠し?否、Kindle(キンドル)なのだ!
Amazon Kindleに注目している。金玉ではない、キンドルだ。お間違えの無いように。amazon.comが発売する電子ブックリーダである。アメリカでは既にかなりのヒット商品となっている。それが去る10月19日に国内でも発売されたのだ。
電子ブックというと昔「超人ロック」なんかでよく本ではなく携帯型のディスプレー型電子機器を登場人物が読んでいる描写があったが恐ろしい事に実用化される時代になってしまった。日本より20年以上早く活字業界の斜陽が訪れ崩壊状態にあるアメリカでは「新聞や雑誌に変わる新しい活字配信ビジネスとして救世主になるのでは?」と期待を寄せられている。
キンドルは小説や本、冊子、新聞といった活字文化を廉価(印刷に掛かる費用が丸々無くなるから。また在庫も発生しない)でダウンロードし、本をめくる感覚で読む事が出来る。 具体的には約20ドル、アメリカでの単行本の平均価格のだいたい2/3と言ったところだ。 キンドル本体が259ドルという価格に設定されているため先行投資が少し掛かるが、まあ本を買いまくれば元は取れる計算である。古本屋巡りでお宝GETな世界がお好きな人などから見ればつまらないかも知れないが、便利で廉価という事実は大きな武器である。 つまり「情報にお金を払う」という、ネット普及以降薄れる方向に走りつつある時代の趨勢に一石を投じる商品であるわけだ。 新聞、特に規模の小さいアメリカ中の新聞各社はネットに駆逐されようとしているが、そのネットは無償が基本なのでビジネス化が難しい。良質のニュースをお金を掛けて提供するというシステムも崩壊しつつある。お金にならないのだからマスコミも質が下がる道理である(元々低いのに)。 しかしユーザーとしては真偽もはっきりしないネット情報に全てを託す事は出来ない。ネットにはネットの良さがあるが、誰でも自由に参加出来るという性質のため信頼のレベルが極めて低い。有益な情報を選別するのは骨の折れる作業なのだ。だから、能力を認められた記者が記事を書き、編集が内容を選定してニュースを誌上に載せるというこれまでの古いシステムは、編集が都合良くニュースを作り替え、権力者の意向で左右されやすいという弱点を抱えるものの、「古いなりにメリットも大きい」と言えるだけの存在価値はある。 ぽっちゃり風俗嬢も何の訓練も受けてない援助交際の小娘よりしっかりと技術を持っている専門店に行く方がより良いサービスが受けられる。合法だし。それと同じ事である。 「しかし私は素人の方が良いので援交をやめられません」ですって? 馬鹿野郎である。お前は本当にだめな奴だ。素人が良かったら素人を恋人としてGETしやがれと言いたい。 まあいいや、話を戻そう。 世の中活字離れが叫ばれているが衰退しているのは新聞、雑誌、単行本と言った既存出版物ビジネスであり、ネット文化の盛り上がりを見てもわかるように活字自体の需要が減っているわけではない。 それにそんな難しい事を考えなくても、例えば読書好きの人が旅行に出る時にキンドル一台を持って行けば好きな時に自由に「吾輩は猫である」「戦争と平和」「伊豆の踊子」「ノルウェイの森」「オデュッセイア」「三国志」「ノストラダムスの大予言」「資本論」「我が闘争」などを読む事が出来るのだ、あ、私はどれも読んだ事ありませんけどね。でも読書好きにはたまらない機器なのである。何せ290グラムに1500冊分詰め込む事が出来るのだから素晴らしい。 ナニ、「私は新刊独特のインクの香り、また古本の煤けた匂いが好きなのです」、ですとな?この変態め。猪木風に言えば「まあ、お前はそれでいいや」である。私はかさばる本もいいが電子ブックを素直に「便利だ、欲しいなあ」と思える人種なのだ。 しかしキンドルには大きな弱点があって未だに日本語対応されていない。何のための日本発売開始なのだろう。これはあまりに痛すぎる現実である。私がキンドルに注目しているものの購買する気が全く喚起されない最大の理由がここにある。 私は純日本語ネイティブなのだ。とっとと対応しやがれ、買えないじゃないかと強く訴えたい。今更英語を覚える人生は不可能だ。 技術的にはそう難しい話ではないそうだが、単純に発売して採算が取れるか、取れないかが問題なのだろう。 私個人としては別にキンドルでなくても拘りはない。肝心な事は電子ブックの未来である。 任天堂がDSiの発展バージョンニンテンドーDSi LLの発売を発表したが、画面の大型化が売りの一つだった。例えば既にDS向けの日本語対応電子ブックソフトも存在する。個人的には携帯電話と同じガラパゴス化を避けるために(まあガラパゴスだからこそ日本の携帯は素晴らしい高機能性を持っているわけだが)世界に通用するプラットフォームであるDSの後継機がキンドルに対抗出来る電子ブックとしての地位をも持てば面白いと感じているが、現時点ではキンドルが一歩も二歩も先を行っている現状であり、とにかく何処でもいいから日本語対応で対応書籍を大量に確保したハードに出てきて欲しいと思っている。 個人的にはWi-Fiなり何なりでネット上から購買出来、キンドルだろうがDSだろうがPSPだろうがスマートフォンだろうが平等に同じ冊子をダウンロード出来る課金システムが完成されれば面白いと思うのだが、まずは普及する事が第一だ。 ぽちゃさんだって、色々なタイプのぽちゃさんがいる。 モリクミ型、青木りん型、七尾みつみ型、ナディーン・ヤンゼン型、Christy Marks型と様々だが、まずはもっと大きな枠でぽちゃさんの素晴らしさを世界中に理解して貰う事が世界平和への第一歩である。 Kindleが先鞭を著(つ)けた電子ブックの世界。 ハードの普及が、ソフト、この場合は活字の、無限の可能性を呼び出す。 ソニーやシャープがかつて挑み失敗した電子ブックリーダー日本語環境の世界。いい加減成功しても良い頃合いだと思うのだが、どうか。
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