今頃アバター
ジェームズ・キャメロン監督作品「アバター」(AVATAR)を観に行った。
浣腸もとい鑑賞場所はワーナー・マイカル・シネマズ海老名。うちの近所のシネコンだと3Dが今一見え辛いのだと言う。そんなわけでネット上で「見やすかった」と評判の良かったWMC海老名までわざわざ遠征したわけである(ついでにワーナーは1000円期間中である。3D映画は1300円だが)。ちなみに海老名は昔の彼女の自宅がある。昔デートに出掛けた懐かしの街でもあった。
で、感想だが、凄ぇ!本当に飛び出して見えるぜ!だ。 おじさんあまりの衝撃に驚いたのである。ぶっちゃけストーリーは面白いけど凡庸というかありがちな内容だった(今時アルファ・ケンタウリ星系の地球型惑星が舞台のSFだとか、ベタ過ぎる)が、映像が凄い。ちなみに一緒に観に行った連れは3D酔いして途中退出してしまった。曰く「PS3のバイオハザードなどで酔ってしまうような人間には向いていない」そうだ。と言っても私はバイオハザード未体験なので、この例えは今一つピンと来ないのだが。 しかし飛び出る字幕が下部のみならずスクリーン右上にも縦書きで出現し、おまけに映像も立体的とあらば悪酔いも無理はない。体重80キロオーバーのぽちゃさんに無理矢理フルマラソンを強要したらそのまま倒れてしまうぐらい無理もない話である。 おまけに長い。上映時間162分とかまるで昭和中期の作品だ。七人の侍のように途中で休憩時間があっても良かったのではなかろうか。特報や予告も合わせると上映時間は177分。目(脳)の錯覚を3時間近く強いているのだから、私も体調が悪ければ同じような目にあっていたかも知れない。ところで我らが富野由悠季監督は「今時の映画は90分で全部まとめなければならないのですよ、ハイ」と力説していたが、そんな小さな常識は世界興行収入記録1位の前では通じない。今頃監督も臍を噛んで悔しがっている事だろう。バイストン・ウェルの物語でやりたいような事を全部やられてしまっている感じである。 それにしてもこれ程までに違和感のない3Dが当たり前になってしまったら、ハリウッドで今後2Dは制作しないと言う声が聞かれてしまう現状にも納得せざるを得ない。ジョージ・ルーカスはこれまでのスター・ウォーズ全作品の3D化を行っている最中だと言う。なお、3D映画の制作方法はアバター方式以外でも多様性に満ちており、これから益々発展する可能性に満ちている。後はオリジナルさがほしい。アバターの場合設定があんまり独自性を感じない。例えば空中に浮く岩なんて、YESのジャケットそのままですがな。ロジャー・ディーンに謝れ。 しかしアバターには実はそれ以上の問題がある。大問題だ。はっきり言ってオリジナリティの有無なんて大した問題ではない。立体映像の恩恵を最大に受けるはずのぽっちゃり女性が作品内に登場しないのである。これは大きなマイナスだ。それでも主要キャラの一人を演じていたミシェル・ロドリゲス(問題女優として有名)がそこそこのボイン娘であった事が救いだが、何と3D作品でありながらミシェルの乳が画面内で強調されユッサユッサと揺らめくシーンが全く存在しない。キャメロン先生の馬鹿!これだけの才能と嗅覚を有しながら乳に拘りがないなんて、画竜点睛が欠けまくりすぎるとしか言い様がない。 七尾みつみや青木りんの乳が手を伸ばせば届きそうな位置にまでやってきたらどれだけ素晴らしい事だろうか。 キャメロン監督はミリタリーマニアとして名を馳せており、そちら方面に関しての描写は今回も懲りに凝った演出を見せてくれたが生憎私は兵器よりも女体が大好きと来ている。具体的に言うと私はガンダムファンでありモビルスーツや宇宙戦闘艇も好きだがそれよりエマ中尉やファ・ユイリィの方が断然好きだ。女性キャラ万歳である。彼女たちが太っていたらもう私はガンダムのストーリーなどどうでも良くなってしまっていただろう(その意味では彼女たちが細身の女性だったのはある意味幸いだった)。 これからの3Dは揺れる腹、はみ出る乳、ぷっくりとした頬、巨大すぎる尻、太すぎる太股を如何に視覚的に訴えるかをテーマにして欲しい。 その為の第一歩としてとらえてみれば、映画「アバター」は成功だろう。 全てはスクリーン所狭しと駆け巡るぽっちゃり女性の立体化のために。 VISIONの進化は、偉大なのだ。 映画の未来に、期待したい。
<おまけ>
多分近い将来、ヘッドディスプレイ型モニタが主流になるのだろうなあ。 ところで映画で一つだけ気になった事があった。立体的に見えるのに従来的なピントぼけの演出を多用しているのは気になった。 人間の目が映像を立体と勘違いして、それに合わせて立体視しようと調整しているのに、画面の中の焦点を制作者サイドで決定しているのは不自然だ(よくある手前にフォーカスが合うと遠くがぼやける、またはその逆を画面上で見せる演出)。 人の目が自力で焦点を合わせるから周囲のピンぼけが生ずるはずだ。 3Dにはそぐわない演出方法だと思うが、どうか。
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