司法試験と法科大学院
今年度の新司法試験が三年連続で合格率最低記録を更新した。人がぽちゃさんの乳肌を愛するのは自由だが法曹の世界はそうはいかない。司法試験をパスしたければ、皆、法科大学院(ロー・スクール)の門を潜らねばならない。しかし法科大学院制度の未来は暗い。尚、包茎大学院ではないので注意が必要だ。
当初の目論見はこうだ。「難しすぎる」「司法試験合格レベルに準ずる知識を学ぶ場がないため事実上法学部出身者にしか法曹の道が開かれていない」といった旧制度の反省から、法科大学院を各大学に設立させ、鍛えられた受験学生の半数以上を合格させるプランだった。 しかし法律系学部を持つ殆ど全ての大学が法科大学院設置を決めた事により、法科大学院がたけのこの如く乱立、学生数が想定外に膨れ上がった事により合格率が低迷、試験浪人増加により益々合格率低下と言う負のスパイラルに陥ってしまった。
しかし想定外だったとは言うが考えてみれば法律学部を擁する大学が法科大学院を設置するのは当然の話である。 「お前の大学、法科大学院ないの?」 「うん、ないよ。法学部はあるけど」 「えっ?法学部があるのに法科大学院がないんじゃお前の大学から弁護士になるとか不可能じゃん。受かる受からないの問題じゃなくて目指す事すら出来ないんじゃん。じゃ、お前の学校の存在意義ってなに?」 ぽちゃさんが大好きな人類がAVを語る時、森川まり子をパスして愛染恭子に走ることはまずない。物事には道理と言うものがある。そんなわけでピン大学からキリ大学に至るまで法科大学院が設立され、全く、或いは殆ど合格者が生まれない法科大学院なんかが多数誕生してしまった。勿論元フジテレビの菊間アナみたいに、大宮法科大学院なんて言う合格率最低ランク校から受かってしまう猛者もいるわけで、最終的には個人の実力の問題ではあるわけだが。 問題点を考えてみよう。 まず法科大学院を経由しないと法曹に進む道がない。 ぽちゃさんに愛を告白するために必ず所定の出会い系サイトを使わねばならないなんて法律があったら息苦しくてかなわないだろう。しかし法曹の世界はそうだ。 法科大学院は普通の大学院と同じように学費がかかるため貧乏人は負担がかかる。金持ちしか司法試験を受けるなと言っているようなものだ(これが事実上最大の問題だろう)。それに昔の制度なら本当に優秀な学生が大学生の身分のまま受験してそのまま合格する事が出来た(民主党の仙谷由人などがそうだ。ここでは仙谷が優秀な人物か否かの議論は置いておく)。そんな学生も無駄に二年、或いは三年、大学院に通わねばならない。 また受験に失敗(三回落ちると受験資格を失効する。また法科大学院からやり直さない限り受験資格は復活しない)した学生はそのまま放置される。 ぽちゃさんに三人連続で振られたら男たるもの四人五人と続けてチャレンジするべきだ。101回目のプロポーズというドラマがあった。しつこいというか異常だが、男とはそう言うものだ。しかし法曹の世界はやはりそうはいかないのだ。そう言えば鳩山と菅が続けて無能だったのに政権放棄しない民主党も今回が三人目だ。野田が人類最後の民主党総理大臣になる事を心より願う。 程度の低い民主党議員はともかく、法科大学院生の場合合格出来なかったと言っても落ちこぼれと揶揄するのは酷だ。東大生でも合格率五割、法学系以外の学生を多く受け入れている早大だと三割である。東大京大早大慶大中大レベルでも受からないのである。難関にも程がある。どうでもいいが「ちゅうだい」と打って「中大」と変換されないのはちょっとシビア過ぎではなかろうか。ATOKの変換基準には悩まされてばかりである。 それはともかく基本的に文系最高レベルの優秀な学生を集めているにも関わらずその半数以上が試験に受からず中年の年齢で世間に放り出されるわけだ。 法科大学院に受かっている時点でそこら辺の学生より頭がいい事には間違いないのだが、世間の風は冷たい。受け入れてくれる企業もシステムも整備されてないのだ。試験に落ちても暖かいぽちゃさんの肉に包まれて癒やされるぐらいの優遇措置はあっても良いものではなかろうか。しかしない。従って優秀な学生が法曹を目指す事を放棄する流れが出来つつある。リスクがデカ過ぎるので仕方がない話だ。 「試験の点数」が全て、コネとか一切介入しない完全絶対実力主義を愛する法曹界の住人たちは多い。しかしだったらなおの事「昔の司法試験制度で良かったんじゃないか?」と感じるわけである。 法科大学院の売り文句には「法学部系以外の人材にも法曹への道を確保する」と言うものがある。社会学や経済学と言った学部を出た人間に門度を広げ、法学系出身者が二年で修了のところ、三年間学ばせて司法試験に送り込むわけだが、一年多いぐらいでなかなか追い付くわけもなく合格率も低い。それでも合格者はいる事はいるので全くコンセプトが狂っていたとは言えないが、だったら単に「司法試験のための本格的な専修学校を認可すれば良かっただけなのでは?」と言う気もする。 今の所、法科大学院設置によって得をした人は天下り先の増えたお上の方々だけな感じがプンプン匂う。ぽちゃさんの脂肪含有率ぐらい濃厚だ。昔ヨーロッパ旅行した時スーパーに置いてあった超特濃加工乳(二十倍と書かれていた)ぐらい濃い。ちなみに興味本位で買ってみたはいいが途中で気持ち悪くなって捨てたのは内緒である。 弁護士になってたくさんの収入を得、ぽっちゃりした愛人を多数囲いたい人々の夢が法科大学院には詰まっている。それが苦難に苦難の末ようやっと掴み取っても、最近はなかなか法律事務所も雇ってくれないとか、収入もあんまり高くは望めないだとか、実に逆風の嵐が吹き荒れているわけだ。歯科大生の辿った悲劇が繰り返されようとしている。 挫けるな。勝てば良かろうなのだとカーズも言っている。 司法試験、頑張れ放火もとい法科大学院生。私からのエールは、それだけだ。
|