高速道路に乗っても日産リバティと比べて特に運転していて気になる点もない。そのリバティの前、我が家の車種はプリメーラだった。このプリメーラは東名とか第三京浜を走る上ではとても優れた性能を発揮してくれる乗用車だったが（よく知らないがドイツのアウトバーンなどで気兼ねなく走れる車にするというのがコンセプトだったと聞いた事がある）、別にモコだって完璧に劣る気はしない。カーチェイスとかすればその非力さに困るのかも知れないが、人生でそんな機会は特に訪れなくてもいいので問題にはならない。 とはいってもやっぱり機会や金があればベンツGLクラスのでっけえ車を欲しいのも事実。軽は軽で素晴らしくても、でかい車にはやはりでかい車なりの良さがある。しかし軽自動車もなかなかいいよ、という事だ。 そんなわけで私が何をいいたいのかというと「私はぽちゃさんが大好きだが別にぽちゃさんでなくても彼女が欲しい。しかしぽちゃさんだったら尚の事嬉しい。要するに誰か私の彼女として立候補して下さらないだろうか」という事である。心からの願いだ。女の子に飢えている中年の心境とはそんなものである。見逃して貰いたい。何れにせよ私はモコを購入したという現状に十分満足している。人生における、不満の塊として現世に存在している私としては奇跡的な話でもある。 そうすると必然的にデートはモコによるドライブという事になる。モコは横幅が狭いので、普通に乗車しているだけでもよくカーブなどで車体が傾いた時肘や腕が触れ合う。つまりスキンシップを図り易い車種であるという事だ。これは嬉しい。内気なキミも労せずして私とお肌を重ねる事が可能である。またモコは幅はともかく軽トールワゴンという事で車高は高く、外から中で何をやっているのかは見られ難い。よって車内でチューしたりえっちするにも都合が良いという塩梅だ。こう考えるとモコを所有しているというのはかなりのアドバンテージである。ラブホの狭い駐車場に車庫入れするのも簡単だ。大型車だとそうはいかない。こういうモコの素晴らしさを私は愛して行きたいと思う。 このモコだが、ぽちゃさんとの共通点も多いと思うのは私だけだろうか。 軽自動車という華奢なベースラインながらググッと膨らんだデザインを採用しており、車内のスペースも十分にとれている事で狭っ苦しさを感じない大らかな女性的外観である。モコはSUZUKIでから提供されたOME車であり、ベースとなった（ベースというか同じなのだが）MRワゴンのチーフデザイナー、結城康和によると「小さなお子様のいるママのためのクルマ」なるコンセプトの下生まれたのだという。ママだけでなく子供たちも乗りやすい構造にしたとの事だ。別にママや子供たちが載り易ければパパだろうが老人でも乗り易いわけで、ママがうんたらいうのはプレゼンテーションに採用されるための言葉による詭弁と断言するしかないわけだが、実際乗り易いので成功といえるだろう。外見的にもがっちりしているが丸みで優しさを感じさせる造形となっており、悪くないと思う。コンパクトだけどコンパクトを売り物にしていない、でもやっぱりコンパクトなので乗り易いですよという所だろうか。まあ私はモコ以外の軽自動車をよくは知らない。最近の軽は何を選んでもこんな風に乗り易いのかも知れないと思う次第である。 こうしてMRワゴン/モコ連合を愛する事に決めた私だが、人間とは浮気性な存在でもある。正直に書くと同じ軽でも三菱i（アイ）に乗ってみたい。というか欲しい。私は所謂女子供に近いメンタリティを有する男でもあり、モコと同時期に発売されたこのiは非常にかっこいいと思うのですね。三菱はコルトもカッコイイと思っていたが、それ以上だ。正直驚きである。実際2006年度のグッドデザイン賞を軽自動車としては初めて獲得し、各種カーオブザイヤー部門賞も総舐めみたいだ。小さいころ大好きだった小学館のこども図鑑、自動車の欄で、「みらいの車」として掲載されていたデザインが正にこのi（アイ）なのである。申し訳ないが決してMRワゴンではない。これはスズキや日産の問題ではなく、三菱が私のハートに直撃するデザインを実売までこぎつけたというだけの話であり、彼らの問題ではない。とうとう本当にこんなカタチのクルマの販売が実現されたのだという命の震えを感じる。まあそこまで書くと過言だが、100%過言ともいい切れない。男の事は、カッコイイ存在に基本的に弱いものだからだ。 まあはじめに書いたように、好きなタイプの子より今現在付き合っている女の子の方が100億倍大事である。だからiに乗ったからモコを捨てるのかというと全くの筋違いというかそれはない話だといい切れる、のだが、愛人というか第二夫人としてiを囲っておきたい気分がムクムクと湧きあがっているのは事実である。 勿論金銭的な理由により私にマイカーを2台所有する能力はない。大体親のリバティだってかなり自由に乗りまわしているのだ、これ以上必要ないだろうという事である。 それにしてもモコと出会えたのは幸せであると断言出来る。色々書いたが要するに私はこの車を買って大正解だったと訴えたく思う。 「君に出会えて良かった」なんて人生でお伝え出来る機械などそうは無い。この僥倖に感謝したく思う。 しかし所詮車は車、無機物である。どちらかというと私は有機物たる人間の女性、それもぽちゃさんにその言葉を伝えたいと考える。 今私とお付き合いするとモコによるデートという特典が付いてくる。逆にいうとそれ以外の特典は特に存在しないわけでもあるが、細かい事いうな、気にするな、だ。スーダラ節の精神で前向きに明日を行きたく思う。 スイスイスーダラダッタ、スラスラスイスイスイーなのだ。そんな感じで町を走り、野を走り、Twenty four before my love you’ll see I’ll be there with you（YES - Roundaboutより）と行こうではないか。 歌うように走り、君とともに過ごす。これって素敵な贅沢だ。
