チェーンジ
どこの企業も似たようなものだろうが、我が社で一番駄目だなあと思うのはやっぱりすぐに隠そう誤魔化そうと逃げの思考に走る隠蔽体質だ。
ミスでなくとも面倒になりそうな事態があると上なり顧客なりに報告しない。報告すると何らかの行動なり対処を指示されるからだ。 そんな社風なので、行動力のある人間より失敗をしない人間が評価されるのである。だがその内何の能力もないくせに失敗を隠す才能が高いだけの社員が主流になり社風が淀んでいく。OH!なのである。
しかしいくら隠しても半数は問題の存在がバレてしまうものであり(隠しているだけで直さないから大概いつかバレる)、クライアントに「何故問題を把握出来なかったのか」なんて問い詰められて、まさか「気が付いていたのですが面倒臭いので放っておきました」とは言えずうやむやにして誤魔化す。そんなことを繰り返す内に連続して顧客契約を打ち切られるのが我が社のここ十年来の黄金パターンである。 バブル末期以降、正確には95年以降顧客の五割に切られたのだからいい加減このままでは本当にまずいと気付くべきだと思うのだが変われないものは変われないんである。世の中そんなものだ。 ところが、「自分は変われないが周囲の環境は徐々に変わっていく」なんて事は生きている上でよく起こる話である。 モンキー乗りが出来ない平地競馬騎手はもはやこの世に現存しない。携帯を持ちたくないと主張する会社員は仕事をする意志がない人間として21世紀初頭までに駆逐された。前田日明なんかみんな真剣勝負の世界に足を踏み入れる時代になっても最後まで「まだガチンコ移行は早い」と言い続けて八百長ファイターのまま現役を終えた。自分が引退したら即部下にはガチンコ強要、金儲け出来なくなったらそのまま瞬時撤退とか凄過ぎる。お陰で引退試合に付き合った偉大なる「人類最強の男」アレキサンダー・カレリンまで、金に釣られて茶番で晩節を汚した似非格闘家の仲間入りである。可哀想に。ま、自業自得だけど。 「周囲がどう変化しようが"自分だけ"変われない」 考えてみると不思議な話だ。周りが変われるのだから自分も変わる事が出来るはずではないのか。理屈の上ではそうなる。しかし世の中奇っ怪な事に自分だけ、そう「自分だけ」変わる事が出来ず時代から取り残されてしまうのだ。 未だにソバージュを止めない40代のお姉さんや、ガングロのまま30に突入しようという一部の方々などはサンプルとして好例だろう。余計なお世話だろうが。 三十路を越えてもアニメを見ているとか、大人としておかしいのではないだろうか。 「お前もヤッターマン見ているだろ」とかは言わないで欲しい。それはそれこれはこれだ。私は自分には優しい男である。 とにかく余りにも変化のない人間は化石化し、やがて世間から見捨てられる運命にある。 ぽちゃさんも徐々に体型が変わっていくから味があるのだ。 ピチピチだった張りのある乳がだらしなく垂れてくる熟女の香りなんか最高である。マンガじゃあるまいし何時までも張りのある弾丸乳を維持できる人類はいない。しかしそれは悲しむべき事ではない。垂れの入って来た乳はそれなりに弄り甲斐があっていいものだ。 人は変わらねばならない。あまりにも変化のない人生では生きている意味も空しい。 「それではROUNDABOUTさんは生涯変わらずぽちゃさんを愛し続ける同朋も変化のない下らない奴らだというのか!ぽちゃさんだけではなくて痩せている女にも発情する男の方が優れた存在だとでも言うのか?そんなのはただの気の多いポリシー無き裏切り者だ。俺は物心付いてから死ぬまでぽちゃさんに忠誠を誓う。変わらない良さだってあるはずだこの野郎」 何だとこの野郎、他人の事をこの野郎扱いするお前こそこの野郎だ。口の利き方に気を付けやがれこの野郎。 まあ言いたいことはわかる。共産主義に傾斜していたくせにバリバリの資本主義者に変節したナベツネのようにあまりにも変わってしまうのも考え物だ。 それまで極道コンビや佐藤・石川組のような何だかむせかえり気味のおっさん連中が争っていたアジアタッグ戦線に突如颯爽とカンナム・エキスプレスが現れたような変化ならまだいいが、西武入団一年目の清原と巨人退団時前後の清原ぐらい変わってしまったらもういけない。痛々しくて見ていられない。MS-DOSからWindows95のパーテーションにデフラグをかけてしまったぐらい最悪である。何事も過ぎた変化は好ましくないという事だ。 しかし「変わらぬ愛」とだけ耳にすると一見美しい言葉だが、やはりおかしい部分もある。 ぽちゃさんを一度好きになったらより深く時間を重ねて、もっと、ずっと、深く好きになっていくはずではなかろうか。 昭和30年代に北朝鮮を地上の楽園と信じてしまう分には同情の余地もあるが、今も同じ事を口にしていたら相当おかしいではないか。愚鈍なまでに変わらない人間は悪ともなる。 ちびまる子ちゃんの絵柄だって年月と共に変わるのだ。あんなマンネリ...いやいや国民的スター漫画ですら変わる。全く変わらない、成長しない人間は逆におかしいのではないだろうか。 そこではじめに話を戻すとうちの会社である。 それはそれは化石級に変わらない愚かさだ。少し前にも「各社員は総務部に過去十五年の賞罰経歴を送って下さい」との通達が来た。要するに自分たちで管理するべき社員履歴データを紛失してしまったのだろう。社保庁かお前らは。愚か過ぎて笑ってしまう状況である(本当は笑えない)。 実行を伴わず責任回避、問題が起こらなかったフリをして「ウチは何も悪くありませんよ」と連呼しているだけの会社がのうのうと存続できるほど甘い世の中ではなくなっていると思うのだ。昔のままでは本当に潰れる。最近とみに危機感を感じる。 ぽちゃさんが好きだと思うだけでは何も成し得ぬように、行動を伴い変わっていかなければならない。 そういう事を考えた今日の私なのだった。はい。
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