チャーリー・マニエルを贔屓する
ナショナルリーグはフィラデルフィア・フィリーズ、アメリカンリーグはタンパベイ・レイズがそれぞれプレーオフを勝ち上がりワールドシリーズ進出を決めた。メジャー・リーグの話題なんである。
遠き島国の一横浜ベイスターズファンとすれば全く別世界のどうにも心躍らされる事のない対決とも言えるが東京ヤクルトスワローズファンの皆様は少しばかり感傷的になっているかも知れない。 レイズの一番バッターはホームランを捨て苦労しながらも何とか環境の変化に対応しチームの躍進に貢献した岩村明憲であり、そして何よりもフィリーズの監督はあの「赤鬼」チャーリー・マニエルである。
エマニエル夫人ではない。マニエルである。と、お約束のギャグは置いておいて、私のようなオールドファンからすれば感慨深いものがある。私は子供の頃親に連れられた神宮球場でマニエルのホームランを見た記憶がある。七色のテープが舞い、ライトスタンドがうわっと揺れた事を覚えている。当時はまだ野球ファンではなかったのでよくわからなかったが、今思えばあれはヤクルト初優勝のシーズンだった。 えらい昔の話ですね。どれぐらい昔かというとヤクルト初優勝の年に生まれた女の子は2008年現在で小学生ぐらいの子を持つぽっちゃり奥様となっていても全くおかしくないぐらいの歳月だ。大相撲の北の湖が年間六場所中五場所を制し、芸能界ではピンク・レディーが大ブレイク、吉野家が「牛丼一筋、八十年」のコマーシャルを始め、九月にはなかやまきんに君が生誕している。どれぐらい昔の出来事かおわかり頂けるものと思う。 ヤクルトと近鉄でホームランを連発し、強烈なインパクトを残し去っていったマニエル。ロッテ八木沢のデッドボールを顔面に受け、アゴの骨折も治らぬうちにアメフトのマスクを取り付けたような特殊ヘルメットを付け戦線復帰するなど凄まじいガッツマンっぷりだった。私はチャックでちんちんの皮(竿の真ん中らへん)に傷を付けた事があるが僅か数ミリの傷にも関わらずその後しばらく全く何もやる意欲が失せた経験がある。骨折しても試合に出る、なんて想像も付かないとしか言い様がない。そのマニエル、守備走塁がさっぱりだったので広岡監督に疎まれ激突、激情、その後何年にもわたり広岡批判をしていたが「自分が監督になったら広岡が正しい事を言っていたのが理解出来た」と発言したという。いいよなあこういうの。正しく現役時代から今に至るまで愛される男と言える。 私はマニエルの近鉄二年目にようやく野球ファンになり、彼の全盛期にギリギリ間に合った。素晴らしくカッコイイブルファイターだった。そんなわけで私の中では未だチャーリー・マニエルはスーパーヒーローである。異論は認めない。 今月8日には母親が亡くなられたのに出来うるだけプレーオフを勝ち進むチームに帯同し、試合に穴を開けず乗り切った。これもアメリカ人としては異例だ。果てしなく根性が入っているのだろう。やっぱりこうなると昔からのファンとしてはマニエルおじさんに頑張って欲しいと思ってしまうわけである。万年最下位球団から一躍ア・リーグを制したレイズのアメリカンドリームも素晴らしいのだが。 翻って日本プロ野球を見ると同じ「監督」の話題でも「WBC監督、星野監督で調整」なんてやっている。自称、男・星野仙一。表に出てファンの前で「どうしても監督をやりたいんだ」といえばいいのにそんな事は一言も口にせず後ろに隠れてコソコソ根回しを続け周囲を固め、「星野で仕方がない」という空気を作るために必死こいて立ち回っているわけだ。大物スポンサーをバックに付けて。 「現役の監督に兼務させるのは難しいのではないか?」 そういう事は他人に言わせるんじゃなくて自分の口から言え。この卑怯者が。 何が燃える男だ、お前なんかマニエルの一億兆分の一も燃えてねぇよ。恒星デネブとマッチ棒の燃え滓ぐらい差がある。もう二度と表に出て来て欲しくないんですけど、と、酷い言葉を突きつけてしまおう。 はっきり言って星野仙一なんて日本のプロ野球界にはもはや必要ない人物だ。底が見えた。権力を手に入れても尚自分だけが大切な人間など存在する意義がない。私はメジャーリーグより日本のプロ野球の方が千兆倍好きな中年だが、こんな腐った男が未だに上にいる組織を応援する気には正直なれない。 と言うわけで思いっ切り悪口三昧の方向に話が逸れたが、要はマニエルは中年太りのおっさんと化した今になってもやはりカッコイイと言いたいわけだ。卑劣な歳のとり方はしていない。私も同じようにダンディな男になりたいものだ。 ダンディな男はぽちゃさんにもモテる。うん、そういう生き方もいいな。人生の方向性が見えた気分である。 さあワールド・シリーズだ! 日本シリーズだって控えている。 星野などどうでもいい。野球の最高決戦でファンが酔う。そんな健全なベースボール期間が迫っている。 まずはマニエル・フィリーズを応援しよう(フィリーズには元オリックスの田口壮もいるって?あっそう)。岩村には悪いがやっぱり化石的ファンの立場からするとマニエルだ。 人間は主観の動物なので私としてはどうしてもマニエル贔屓に走るしかないのである。その辺ご理解頂ければ嬉しい。 あのチャーリー・マニエルがワールド・シリーズ優勝監督になる...最高ではないか。 この感情、わからん人にわかれとは言わないのだ。 ぽちゃさん大好き星人の野望では、マニエル監督を全力で応援していきたいと考える次第なのである。
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