幸せを君に運ぶ天使なのだ
カレーと言えば杉田のバーグ。ラーメンと言えば港南台の龍ちゃんというジャンクフード道驀地(まっしぐら)な高カロリー人生を銀河烈風している私である。 ここ数年は他のお店で浮気する事も殆どなく食べ続けている。たまに他のお店で食べる事もあるが、それは関内にあるバーグ弥生町店だったり西区にあるバーグ戸部店だったりするので結局バーグである。カレーライスに関してはバーグ一筋と言えるだろう。ラーメンも龍ちゃんに行ける状況で他の店に行く事はなくなった。
私はお気に入りが出来るとそればっかり食べ続ける男である。よくラーメンマニアの方々なんかだと「昨日は岳家」「今日は二郎」「明日は高砂屋」なんて具合にあちこちに突撃するケースが多いようだがそういうタイプではない。 新大久保のぽっちゃり風俗なんかでも全ての女の子を指名して同じような変態プレーをお願いし、有名になってしまう常連客なんかがいるが、その辺良く理解出来ない。勿論お気に入りの子がどうしても出来ないから次々に色々な子にアタックするというのならわかるが、そうではなく単純に誰でも彼でもたくさんの子とえっちしたいと思って違う子を指名し続けるのだろう。私の場合お気に入りの子が出来たらその子しか入らないタイプである。一途な性格と言えるだろう。純な男なのだ。まあ女の子の方で「ゲー、あのキモイ客また来たよ」なんて思われてしまったら意味がない気もするが。とは言えこの10年近く、とんと風俗はご無沙汰である。実の所昔から私は貧乏なので同じ子に何度も指名で入るような連続出撃にも縁がなかったのだった。なので私はそんな風俗のヘビーユーザーだったわけではない。貧乏とはそういうものである。 それでもやはり、お気に入りの女の子がいたとしたらその子にしか入らないだろうなあと言うのが率直な分析である。 風俗に限った話ではなく、例えば彼女が存在するケースにおいて他の子に色目を使う程のパワーは持っていない。その辺くたびれたオッサンなんである。カレーやラーメンにしても同様で、バーグよりジャンキーで美味しいカレーがこの世には存在するかも知れないし、龍ちゃんより自分好みの味を提供してくれるラーメン屋さんが地球上のどこかで私を待ち続けているかも知れない。だがしかしここ以外でカレーやラーメンを食べたいとは特に思わないのがこの数年来の私なのだ。 一穴主義というやつである。甲斐犬の中には生涯一人の主人にしか心を許さない武(もののふ)がいるという。ラブラドール・レトリーバーみたいに誰にでもハァハァ懐くようなヤワな犬野郎とはひと味違うわけだ。いや、まあ、レトリーバーはレトリーバーでかわいいけど。 そんなわけで私は一人の女性を好きになったら尽くすタイプだと証明された。 「されてねーよ」と思う方もおられようがそこは寛大な心で見逃して貰いたい。されたと言ったらされたのである。話を進めさせて頂きたい。なので、私に惚れられた女性は幸福である。断言してもいい。幸せなのだ。一人の男に生涯愛される喜びを得る女性などそうそういるものではない。 しからずんば、しかし。それはそれとして「たくさんの女性とえっちしたいなぁ」と思う想いが私の心の中にあるのもまた事実。うーんどうしてだろう、こんなにナイスガイなのに。この人間という生命体の、深遠なる心の闇、奥深くに謎は隠されている。 無論「そんなに難しい話じゃなくて、単にお前が女にだらしない性格なだけじゃないの?一穴主義とか嘘だろ。フカシこいてんじゃねーよ」なんて口さがない奴の意見も一理ある。でもそうやって一人の人間をだらしないとか情けないとか責め立てるのはいけないと僕は思うんだ。 厳然だる事実として私は好きなカレーショップやラーメン屋さん一筋で生きる日本犬型ナイスマンである。ぽちゃさんに対する想いだって同じなはずだ。 信じて貰いたい。私に惚れられたら、君は幸せになれるのだ。 私が訴えたい事は、つまりはそういう話なのである。
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