ぽっちゃり女優を追求せよ -BUFFALO'66-
私は特に映画に関して造詣の深い人間ではない。 たかが一娯楽のジャンルに対して「藝術」とか言っている人間を見ていると胸糞が悪くなるタイプだ。 しかしヴィンセント・ギャロ作品「BUFFALO'66」 (バッファロー'66:1998年)に触れぬわけにはいかない。 この監督兼主演を務めたヴィンセント・ギャロなる人物は、俳優のみならず絵画、写真、映像、音楽の世界でも注目を集めているという、片岡鶴太郎が目指していたが叶わなかった夢を体言したマルチアーティストタレントだ。
性格的には松本人志をもっとナルシストにして、イヤミ度数を更に強化した感じで、正直言っていけ好かない男である。
そんな彼が作ったオナニー映画がこのバッファロー'66なのだが、 「俺のオナニーはあんた達が見ても充分面白いだろ?」 なる彼の囁きが聞こえてきそうな確信犯的作品で、ムカつくが、かなり面白いと認めざるを得ない。 深い意味があると見せかけて実は中身が空っぽなバカ映画は世界中に多々あるが、この作品の場合ギャロの監督としての力量不足でそうなってしまったわけではなく、わざとそう作られている。
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