元JALとか大変ですね、プフッおっと失礼
羽田空港、すなわち東京国際空港に行って来た。第1ターミナル、日本航空サイドである。他にスターフライヤーとスカイマークも第1を利用しているが、規模的にマイナーエアラインであり話にならない。ぽっちゃり女優で言うと小林きな子(身長167センチ体重82キロバストサイズ不明)ぐらいのマイナーさである。
全日空が第2ターミナル完成とともに移動して以来、だだっ広い第1を殆ど独占しているわけだが日本航空は皆様ご存じのように経営破綻寸前の状況にあるわけで、もしJALが潰れたら第1ターミナルはどうなるのかと考えてしまった。もう今更全日空としても「じゃ第1に戻ります」とはいかないだろう。10年前に私を振ったぽちゃさんが今頃また付き合って下さいと姿を現しても「もう知らんがな」と答えるしかない状況と同じだ。
世界的にフラッグ・キャリアの倒産は時折起こる。サベナ・ベルギー航空が2001年に倒産し、その煽りを受け堅実路線で「空飛ぶ銀行」とまで呼ばれたスイス航空も2002年に倒産した。またフラッグ・キャリアではないが、カンタス航空に比類する大手航空会社であったアンセット・オーストラリア航空(日本における全日空のような立ち位置)もサベナと同じ2001年に倒産している。航空大国アメリカに関して言うと歴史的に複数の大手が競合しており、「ここがアメリカのフラッグ・キャリアだ」と言い切れる会社は存在しないが、パンナム、TWAといった超メジャーをも含め、倒産、精算、良くて吸収合併という例には枚挙にいとまがない。 私の家族が引っ越してきた頃、近所に日航の社員一家が引っ越してきた。奥さんは漫画に出てくるような成金のママで「宅の主人は超一流企業日航のエルウィーーーート社員ザマスの。お給料も凄いんでございますわよオホホホホ」なんていつも口にしていて嫌われていたものだ(数年後もっとエリートな日航パイロット一家が近くに越してきて大人しくなった)。と言うか我が家の周りには有名俳優やら三菱重工幹部社員やら国会議員やらなにやら、お金持ちさんはそこそこ多く住んでいたのであの奥さんが何故そこまで自分たちを地域随一のエリート社会人みたいな感じでと認識していたのかも分からない。きっと周囲が何も見えていなかったのだろう。人間のぼせ上がると恥ずかしいものだ。企業年金もカットされる立場になり、今頃は「なんであの頃の私はあんなにアホだったのかしら」と反省でもしているのだろうか(してないと思うけど)。 もっとも私の職場にも娘が電通の社員である事に非常に強いプライドを持っているテナント社員さんなんかがいる。普段はいい人なのに、この話題になると我が強くなってうんざりだ。ぶっちゃけ私も自分で書くのも何だが私自身は貧乏だが家柄はそんなに悪くない(成金系だけど。しかも私の代で繁栄していないのが笑える。意味がない)。 それにである。それ以前の問題としてたかが主人が日航職員だと言うだけで自慢話を延々とされても失笑されて終わってしまいがちなものだ。本当のお金持ちや昔からの土地持ちは静かにしている。あまり見苦しく騒ぎ立てる人間は笑われる。 いくら私がぽちゃさん大好き星人だとしても「私はあなた好みのぽっちゃり美人ですのよ、どうですひれ伏しなさい、崇めなさい。さあ敬いなさいオーホホホ」なんてほざく女性が現れたら思わず背中にサッカーボールキックを放ってしまうかも知れない。日本人は決して自己アピールが過ぎる人間を受け入れる人種ではないのだ。 そんなわけで件の奥さんの奮闘もあり子供の頃から日本航空に対する偏見の目が養われていた私としては日本航空の困窮は見ていて「あっはっは」な気分がある事も事実である。しかしながら日本の空から日本航空が消えるという光景もなかなか想像出来ない。私は頭が固いのだ。ましてや日本航空グループはかつては親方日の丸で運営されていた元超優良企業であり、現在は世界第3位のグループ事業規模を誇る航空会社だ。そんなに簡単に消えてなくなるものなのだろうか。しかし現実を極めてシビアに鑑みれば、消える時は消えるのが企業である事が理解出来る。人の世は興亡の重なりなのだ。 サベナ・ベルギー航空は現在ブリュッセル航空がサベナ同様の役割を果たし(レターコードも一緒らしい)、スイス航空も資産を引き継いだ二つの航空会社が存続している。潰れても上手く立ち回れば何とかなるという例だ。 国を挙げて日航は潰さないぞと皆さん頑張っておられるようだが、ダイエーもそうだが、駄目な会社はさっさと精算して再構築した方が話が早いのではなかろうか。規模が大きくなりすぎるとそうも言っていられないのだろうか。確かにブラサイズも大きくなり過ぎると輸入物を買うぐらいしか選択肢がなくなってしまう。ぽちゃさんも大変なのだ。 日本航空というメガキャリアがどうなるか。私個人としては日航奥さんの涙目状態を見たい...じゃなかった、一ブロガーとして事の推移を見守っていきたい気分である。 しかしOBの皆様方も企業年金の給付水準約30%削減について約65%の同意を得たと言うが、会社がなくなったら65%も糞もなく0%になるわけで、出るだけ十分マシなのだから諦めて全員同意した方が良いと思うのだがどうだろうか。現役社員などは53%削減を受け入れているのだから。 定年までに自分だけ泥沼から脱出出来て良かった良かったと胸を撫で下ろしていた自称勝ち組の老人たちが突如現実を叩き付けられ憤慨している姿が目に浮かぶ。まあ貰えると思っていたお金が手に入らないのだから気持ちはよーくわかるのだが。 「減額しないと法的整理になると脅され同意を求められた」 減額反対OB集会で乱れ飛んだ言葉である。 脅しではなく単なる事実であるとは思えないのか。 諦めの悪い昔のエリートさんたちは、そろそろ現代という時間の意味を学ぶべきかも知れない。
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